◯雨の日やその前日に頭が痛くなることはありませんか?
なんと日本人の約6割が天気に関連した痛みの自覚があり、これを「天気痛」と言います。女性の実に約8割が天気痛持ちとのことです。ある研究では低気圧が近づくと、内耳という耳の奥にある器官が気圧の変化を感じ取り、自律神経のバランスを乱して、それに伴い痛みを感じる神経が刺激され、いつもより痛みを感じやすくなると報告されています。そのため頭痛の他、関節痛、肩こりや腰痛など体の様々な部位の痛みを引き起こすことがあります。
こうした痛みには病院で処方される一般的な痛み止めも効果的ですが、その他にめまいに使われる薬や漢方薬も効果があると言われています。また耳のマッサージは内耳の血流を上げ、天気痛に効果があると言われております。運動やストレッチなどもこうした頭痛には効果的と考えられます。皆さんの中にも「自分はこうしたら頭痛が良くなる」という技をお持ちの方はいらっしゃると思います。自分のパターンを見つけ、天気の悪い日も上手に痛みをコントロールしながら気持ちよく過ごせるようになるといいですね。頭痛が起きたときの記録を残していき、自分にとっての頭痛のトリガーが何であるか突き止めるという手段も有効と考えられます。
◯では頭痛全般について考えたとき、どのような病気が考えられるでしょうか?
代表的な頭痛としては、①緊張性頭痛 ②片頭痛 ③群発頭痛が挙げられます。①緊張性頭痛は最もよくある頭痛で、頭の両側が痛むことが多いです。②片頭痛はその次に多い頭痛で、片側のこめかみの辺りがどくんどくんと拍動性に痛みます。腹痛や吐き気、また閃輝暗点と言って目の前に稲妻のような光が見えるといった前兆がみられることもあります。③群発頭痛では眼の奥が激しく痛み、時には2週間から3か月持続することもあります。それぞれのタイプで使うお薬が異なりますが、いずれも良く効きますのでかかりつけの医師に相談して処方してもらうと良いでしょう。頭痛全般的には精神的ストレスや緊張が悪化させる要因になりますので、そうしたストレスのコントロールも重要となります。また片頭痛ではアミン類を含む赤ワイン、チョコレート、チーズ、ピーナッツ、豚肉などが悪化の原因となりますので、避けたほうが良いでしょう。また市販の薬を漫然と使い続けると薬剤性の頭痛を引き起こすこともありますので注意が必要です。
◯どういった頭痛の時に注意が必要でしょうか?
突然の激しい頭痛や、痺れや麻痺・眩暈などの神経症状を伴う場合はクモ膜下出血・脳出血などが考えられますので注意が必要です。また強い頭痛で熱を伴っている場合は、脳炎や髄膜炎のことがありますので注意が必要です。起床時の頭痛の場合は脳腫瘍や睡眠時無呼吸症候群などが隠れている場合があります。
日吉かもめ内科・整形外科クリニック 杉本 洋一郎