循環器内科の病気

狭心症・心筋梗塞

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○狭心症や心筋梗塞とはどんな病気ですか?


心臓のまわりには3本の血管が走っています。その3本の血管に血流が流れ酸素や栄養を心臓に運んでいます。高血圧や脂質異常症、喫煙などが原因でこれらの血管に動脈硬化を引き起こし、内腔が狭くなると心臓に十分な酸素や栄養がいかなくなり胸が苦しくなります。この症状を狭心症といいます。心筋梗塞では血栓ができて血流が途絶えてしまい症状はさらに強くなります。またその状態を放置すると心筋の壊死が進み、心臓の機能の低下を引き起こします。


○どのようなことが原因になりますか?

生活習慣病が主な原因となります。高血圧、肥満、糖尿病、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い病気)やストレス・喫煙などが原因となります。


○どのように調べますか?

まずは症状があるときの心電図が大事です。また心筋梗塞では心筋が壊死してしまいますのでその時に流れ出る酵素が上昇していないか採血で検査します。心筋に血液がいかないと動きも悪くなりますので、心エコーで動きが悪くなっていないか調べたりします。冠動脈CTという検査で血管が細くなっていないか調べることもできます。また負荷検査といって薬剤や運動負荷をかけて心臓の血液の流れがさらに悪くならないか調べる検査もあります。これらの検査で狭心症や心筋梗塞が疑われるときは心臓カテーテル検査をすることになります。どの検査をまず選択するかは既往症や症状の頻度などによって決めていきます。


○どのような症状ですか?

典型的には前胸部~みぞおちの痛みや締め付け・圧迫感があります。そうした症状が狭心症では15分以内におさまりますが、心筋梗塞では15分以上続くことになります。冷や汗や吐き気を伴うことも多いです。また関連痛といってのどや顎、肩の痛みを訴える方もいます。


○どのような治療になりますか?

3本の血管のどの部位にどれくらい狭窄や閉塞があるかによって治療は異なります。軽症のものであれば薬物療法だけの場合もありますし、カテーテル治療や冠動脈バイパス手術が必要になることがあります。


○どんなことが大事ですか?

とにかく早めに治療を開始することが大事です。特に心筋梗塞の場合は完全に血流が途絶えているわけですから一刻も早くカテーテル治療やバイパス手術での再灌流療法(もう 1度血が流れるようにすること)が必要となってきます。最近ではほとんどのケースでカテーテル治療が可能になってきております。

○心臓の血管に狭いところは無いが「狭心症」と言われました。どういうことでしょうか?

「異形狭心症」と呼ばれ、心臓のまわりの血管(冠動脈)がけいれんを起こすことによって血流が途絶え胸が苦しくなるタイプです。通常の画像検査やカテーテル検査では狭窄を認めません。安静にしている夜中や明け方に発作を起こし胸が苦しくなることが多いです。

○異型狭心症ではどのような治療になりますか?

異形狭心症では薬物療法がメインになります。血管を拡げるお薬を使用し、痙攣を起こしづらくしていきます。また喫煙が原因になりますので必ず禁煙するようお願いしております。

**異形狭心症は時に診断に難渋します

そのような場合はアセチルコリン負荷試験というカテーテル検査の1種を行う場合があります。これは心臓の血管のけいれんを起こすアセルコリンという薬剤をカテーテルで直接血管の中にいれて反応をみる検査です。

日吉かもめ内科・整形外科クリニック 杉本 洋一郎

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