院長のコラム

口から始まる全身の健康リスク

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本日4月18日は日本歯科医師会により「良い歯の日」とされています。

良い歯の日にちなんで、歯周病と様々な内科疾患との関連についてお話ししたいと思います。歯周病は、歯茎や歯槽骨の炎症を起こす病気で、歯を支える骨が破壊されることで歯が抜け落ちることもあります。歯周病に罹患することで、様々な内科疾患と関連するリスクが増大することが報告されています。

1.心臓疾患

歯周病は、心臓疾患との関連性が指摘されており、歯周病の進行が進むほど、心臓病のリスクも高まるとされています。口内に存在する細菌が増加し、血管に入り込んで血管内皮細胞に炎症を引き起こすことで、動脈硬化や血栓形成などの心疾患を引き起こす可能性があると考えられています。冠動脈疾患、心内膜炎、心房細動など複数の心疾患との関連が報告されています。

2.糖尿病

歯周病に罹患することで、糖尿病の発症や進行を引き起こす可能性があります。歯周病により、口内にある細菌が増加することで、糖尿病の血糖値コントロールに悪影響を与えることがあります。

3.呼吸器疾患

口腔内に存在する歯周病菌が、吸気の際に喉を通過する際に気道に侵入することがあり、それが呼吸器疾患を引き起こす可能性があると考えられています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎、睡眠時無呼吸症候群(SAS)など様々な呼吸器疾患との関連が報告されています。

4.認知症

歯周病は、認知症との関連性も指摘されており、歯周病に罹患することで、認知症の発症リスクが高まるとされています。歯周病菌が体内に侵入し、脳にダメージを与えることが考えられています。また、歯周病により、炎症が引き起こされ、炎症性物質が脳に影響を与えることも報告されています。

5.妊娠関連疾患

妊娠中の女性は、歯周病に罹患するリスクが高まるとされています。歯周病に罹患することで、早産、低出生体重児の出産リスクが高まることが報告されています。

以上のように、歯周病は、口内だけでなく、全身の健康に影響を与えることがあるため、予防や早期発見、治療は非常に重要です。歯周病のリスクを低減するためには、適切な口腔ケア、定期的な歯科検診、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。

日吉かもめ内科・整形外科クリニック 杉本 洋一郎

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